二十世紀梨の白い花に囲まれ、交配作業に取り組む唐﨑大義さん=鳥取県湯梨浜町野方
二十世紀梨の白い花に囲まれ、交配作業に取り組む唐﨑大義さん=鳥取県湯梨浜町野方

 鳥取県特産・二十世紀梨の露地物の交配作業が主産地の湯梨浜町東郷地区でピークを迎えた。梨の出来栄えを左右する重要な作業で、農家が毛の付いた棒を使って一輪一輪、丁寧に花粉を付けた。

 二十世紀梨は自分の花粉で受粉せず、ヤマナシなど他品種の花粉を使った人工交配が欠かせない。JA鳥取中央湯梨浜サテライトセンターによると、東郷地区の梨園では7日ごろから作業が始まり16日ごろまで続く見通しという。

 湯梨浜町野方で二十世紀梨20アールを栽培する唐﨑大義(ひろよし)さん(32)=湯梨浜町久留=は和歌山県出身で、鳥取大在学中に二十世紀梨を知って引かれ、2017年にIターンした。人工交配の手間がかかっても「肌がきれいで見ても素晴らしく、みずみずしくおいしい梨」と二十世紀梨を気に入っていて、10日も白い花に囲まれて作業に精を出した。

 東郷地区では24年、213戸(前年比5・0%減)が52ヘクタール(同5・5%減)で露地物の二十世紀梨を栽培し、出荷量1050トン(同11・5%減)、販売額6億3千万円(同4・5%減)を計画している。

 (桝井映志)