短歌 安部歌子選

小雪舞ふ庭眺めつつ子の下着送つてやらうかヒートテックの    松 江 森脇よし子

  【評】舞う雪を見ながら離れ住む子に思いを馳(は)せる。つぶやきのような母親の思いが温かい一首になった。上句から下句への流れにも無理がなく、結句の納め方にも作者の工夫が感じられる。

墨流しの色紙に友の特選歌書きてことしの筆をさめけり      出 雲 花田 敦子

  【評】お祝いの思いをこめて友の特選歌を色紙に書いた。それが今年の筆納めであっ た。色紙を介して友との温かい交流も見...