島根県邑南町の石橋良治町長(75)=無所属、5期=が16日、任期満了に伴う10月の町長選に出馬せず、引退する意向を明らかにした。公約に掲げた大型事業に一定のめどがついたとし、「5期20年を節目に次の世代にバトンタッチしたい」と述べた。
石橋町長は同日の町議会臨時会で、遅れていた道の駅瑞穂の本体工事に着手できる状況になった上、公立邑智病院と石見中学校の建て替え工事も進んでおり、「3事業が前進していく確証が得られた」として、引退を決めたことを明らかにした。
県立矢上高校の魅力化向上や、邑智病院の医師確保や財務改善などに取り組み、「高校、病院ともによい状況にできた」と振り返った。浜田道の4車線化に向けて国土交通省への要望活動を続け、2022年に町内を含む一部区間について4車線化の事業化につなげることができ、「次世代への種まきができた」と強調した。
後継指名は「全く考えていない」と述べたものの、「複数の候補が出馬した場合、思いが共通する人を応援する可能性はある」と話した。
石橋氏は同町矢上出身。立命館大卒で旧石見町議、島根県議を経て、合併に伴う2004年10月の邑南町長選で初当選。全国町村会副会長、県町村会会長も務めた。現時点で立候補に向けた動きはない。
(吉野仁士)