【出雲】出雲市今市町、パルメイト出雲で23日、医療セミナーがあり、島根県立中央病院の金沢旭宣(あきよし)・臨床ゲノム医療推進室長(外科・消化器外科)が「消化器がん外科治療の現在と未来」をテーマに講演した。
金沢室長は食道、胃、大腸、肝臓、膵臓(すいぞう)といった消化管のがんの特徴について早期は無症状で無自覚の場合が多いが、早期発見により治療成績の向上が期待できるとした。罹患(りかん)原因としては食生活や飲酒、喫煙などで、生野菜など食物繊維を含む食品が大腸がんのリスクを下げるとした。
最近の手術では出血や傷が少なく、患者への負担が小さい腹腔(ふくくう)鏡手術や、県立中央病院も導入する「ダビンチ」によるロボット支援手術などがある。それぞれに長所と不得意な面があり「最新治療が必ずしも最善ではない。症例に応じて最適な治療を実施している」と強調した。
講演を聞いた出雲市高松町、矢田久美子さん(78)は「食生活で気をつける点が参考になった」と話した。
セミナーは山陰中央新報文化センター出雲教室が健康情報を提供しようと、県立中央病院と共催した。市内外の40人が耳を傾けた。(黒沢悠太)