―島根県立中央病院は県内で唯一指定を受けている「高度救命救急センター」として、地域の救急医療の柱を担っています。

 県立中央病院の入院患者はその半数近くが救急で来られます。救急外来で年間2万人、救急車は年間4千台受け入れています。

 13年目になるドクターヘリは年間500件出動し、他の病院と連携を密にとりながら対応しています。

 職員は「県民の命と健康の最後の砦(とりで)」という意識で業務に当たっています。

―2023年11月には高機能がんドックと循環器ドックが始まりました。

 高機能がんドックは肺や消化器など10以上のがん検診を一度に行うもので、長くても、半日で検査が済みます。

 複数の臓器などを対象にしたドックは県内初です。高機能循環器ドックは心筋梗塞や大動脈瘤などの循環器疾患を検査するものです。

 がんドックは私も体験しましたが、スムーズに検査が進んで楽でした。自信を持ってお勧めします。

 

―医師や看護師、技師による健康講座が好評ですね。

 月1回、ロビーで30分間行う「知って得する健康ミニ知識」は関心の高いテーマを選んで講演しています。

 2月はがん治療の一つである放射線治療について、診療放射線技師が解説しました。無料で予約もいりません。皆さまの参加を待っています。

 このほか市民公開講座やコミュニティセンターでの出前講座はフレイル(虚弱)や認知症、脳卒中など身近なテーマを取り上げています。
 

 

―高度医療だけでなく、地域医療をリードする役割も担っています。

 中山間地域や離島では、幅広い診療能力を持ち、地域に暮らす人々の健康を支える総合診療医が求められています。

 そうした医師の教育やキャリア支援を専属で担う地域総合医育成科を22年に立ち上げました。

 現在9人が所属し、県のほか、島根大医学部付属病院や松江赤十字病院など県内16の病院と連携を取り、研修プログラムを組んでいます。

 将来的に、多くの総合診療医が県内で活躍できる体制を目指しています。

 

 島根県病院局では、人々の命と健康を守ることで世の中に貢献したいと考えている医療従事者を幅広く募集しています。

 チームワークを大切にして協力しながら仕事のできる人、常に最新の知識と技術を探求する向上心を持つ人、そして倫理感と責任感を大切にできる人を求めています。

 皆さんと一緒にワンチームで働ける日を楽しみにしています。

 

 山口修平=兵庫県姫路市出身(69歳)、2019年に現職に就任。

 1979年に京都大学を卒業し、翌年島根医科大学に赴任し、脳神経内科医として臨床に従事。
 
1988年にカリフォルニア大学デービス校、2001年にカリフォルニア大学バークレー校に研究留学。

 2006年から島根大学医学部・教授、2015年から医学部長。専門領域は脳卒中、認知症、認知神経科学。

趣味はゴルフで、最新ハンディキャップは7。妻と2人暮らし、子供は3人。

島根県病院局HP