【米子】北朝鮮による拉致問題について学ぶ学習会が23日、米子市河崎の河崎公民館であった。米子市出身の政府公認拉致被害者・松本京子さん=1977年失踪当時(29)=の兄・孟(はじめ)さん(77)の話に住民約30人が耳を傾けた。
鳥取県人権・同和対策課職員との対話形式の講演で孟さんは京子さんについて「真面目で恨みを買うような人柄ではなかった」とし、拉致被害に遭うとは考えもしなかったと話した。
年間9回ほど講演しているといい、解決に向けては「多くの人に関心を持ってもらい、声を上げてもらうしかない」と協力を呼びかけた。
講演を聴いた近くの会社役員長田繁さん(82)は「京子さんや家族のことを思うとじっとしていられなくなった。政府には根気強く交渉を続けてもらいたい」と話した。
学習会は公民館が県の協力を受けて実施した。国が制作した拉致問題についての映像の上映もあった。(中村和磨)