【雲南】白黒写真の濃淡を砂鉄の量で表現したシルクスクリーン作品展が、雲南市木次町寺領のワイナリー奥出雲葡萄園で開かれている。京都市を拠点に活動する写真家、紀(きの)成道(せいどう)さん(45)が手がけ、たたら製鉄を中心に雲南市と島根県奥出雲町の文化や自然の豊かさを伝える17点が来場者の関心を集めている。26日まで。
紀さんは名古屋市出身。2019年末、雲南市で田部家伝統の餅つきに参加したのをきっかけに同市や奥出雲町に興味を持った。年間30~40日ほど滞在し地域の写真を撮り続けている。
かんな流し跡などたたら製鉄の遺産や日刀保たたらの操業、地域の祭りの様子を捉えた作品が並ぶ。いずれもインクの代わりに鉄と米を使用する独自の手法で制作。雲南市内で採れた砂鉄に糊(のり)として仁多米を混ぜて和紙に定着させ、鉄と自然、人のつながりを作品そのもので表現した。
日本刀の原料となる上質な鉄「玉鋼」を撮影した作品は、宝石のような光沢感と力強い美しさが伝わる。紀さんは「雲南、奥出雲の魅力が凝縮されている。さまざまな視点から作品を味わってほしい」と話した。
入場無料。火曜休館。(山本泰平)













