出雲市大津町、出雲弥生の森博物館で、古代の糸の加工に焦点を当てた展示「糸をつむぐ」が開かれている。古代から近代の出雲地域と紡績技術の関わりを紹介している。6月10日まで。
古代では繊維をすり合わせて糸を作るため、紡輪と呼ばれる穴の開いた円盤に軸となる棒を通した道具「紡錘(ぼうすい)車」を使っていた。展示では出雲平野で最古とされる矢野遺跡(出雲市矢野町)で見つかった弥生時代前期の紡輪(直径約5センチ)を展示する。
また、古墳時代の円すい台形の紡輪や、江戸時代以降、紡錘車に代わり大量に糸を生産した糸車が、平田の雲州木綿の生産に活躍したことを紹介している。
企画を担当した永川ひかる学芸員(24)は「時代によって変わる道具の特徴に注目してほしい」と話した。
午前9時~午後5時。火曜日は休館。観覧無料。6月8日午前10時からギャラリートークがある。
(黒沢悠太)