広島地方気象台は21日、中国地方の6~8月の3カ月予報を発表した。地球温暖化に加え、暖かく湿った空気が流れ込むため、気温は平年より高い見込みとしている。気象庁によると、後半になるほど南米ペルー沖の海面水温が下がる「ラニーニャ現象」が発生する可能性が高くなるという。発生した場合はかなりの高温になる恐れがあり、十分な熱中症対策が必要となりそうだ。
ラニーニャの場合、日本では夏はより暑く、冬はより寒くなる傾向がある。
広島地方気象台によると、6~8月は太平洋高気圧が日本の南で強く、その縁を回って西日本や沖縄・奄美地方を中心に暖かく湿った空気が多く流れ込み、高温が見込まれるという。
降水量は、梅雨前線などの影響を平年より受けやすくなるため、7月を「平年並みか多い見込み」と予報した。6、8月はほぼ平年並みとしている。
気象庁によると、昨年6~8月の全国の平均気温は平年を1・76度上回り、1898年の統計開始以降で最高を更新した。
消防庁によると、昨年5~9月の熱中症による救急搬送人員は、記録が残る2008年以降で2番目に多い約9万1500人に達した。島根は623人が搬送され、重症者は27人。鳥取は搬送者633人で、3人が亡くなり24人が重症だった。(新藤正春)