「Zipangu~倭姫~」を披露する石見神楽「万雷」=益田市有明町、島根県芸術文化センター・グラントワ
「Zipangu~倭姫~」を披露する石見神楽「万雷」=益田市有明町、島根県芸術文化センター・グラントワ

 【益田】12日から益田市で開かれた石見神楽イベント「第4回MASUDA神楽WEEK」を締めくくる公演が19日、同市有明町の島根県芸術文化センター・グラントワであった。松竹(本社・東京都)と、神楽振興に携わる同市の一般社団法人MASUDAカグラボが共同制作した創作演目「Zipangu~倭姫(やまとひめ)~」が地元で初披露され、躍動感たっぷりの舞と奏楽で来場者約500人を楽しませた。

 天照大神(あまてらすおおみかみ)の命を受けた倭姫が、日本武尊(やまとたけるのみこと)のうつし身として男装し、織田信長の魂が転じた大蛇(おろち)、鬼女となり魔界で信長と結ばれた宮簀(みやず)姫を退治し、草薙剣(くさなぎのつるぎ)を奪還するというユニークな筋立て。急ピッチで展開される笛と太鼓の音に合わせた約1時間の熱演に、来場者は拍手を送った。

 出演団体の石見神楽「万雷」は、カグラボを母体とし、益田市内の社中の若手選抜メンバーで構成。今回は市内11社中から10~30代の25人が出演し、昨年12月に京都市で初演された舞台の演出を一部変更してお披露目した。

 家族らと共に鑑賞した益田市立吉田小学校5年竹田陽香さん(10)は「迫力があった。照明の色が場面場面で変わり、楽しかった。また見たい」と笑顔で話した。

 カグラボの神田惟佑(ゆいすけ)代表理事(42)は「皆さんに喜んでいただけてよかった。次は東京公演ができればうれしい」と述べた。(中山竜一)