遺跡から出土した土器片についた土を歯ブラシで落とす児童=益田市美都町都茂、都茂小学校
遺跡から出土した土器片についた土を歯ブラシで落とす児童=益田市美都町都茂、都茂小学校

 【益田】益田市美都町の東仙道小学校と都茂小学校の児童が28日、都茂小で近くの土屋川向(かわむこう)遺跡から出土した約1200年前の土器片の土を洗い落とし、表面の文様を確かめ、昔の人の暮らしに思いをはせた。

 市教育委員会が郷土の歴史を学んでもらおうと企画し、両校の5、6年生20人が参加した。

 土屋川向遺跡は奈良-平安期(8~9世紀)の遺跡。当時の人々が使った食器を廃棄した場所とみられ、4月から市教委が始めた発掘調査で須恵器や土師(はじ)器のかけらが出土した。

 児童は7班に分かれ、市教委文化振興課の佐伯昌俊主任主事(37)の指導で、水を張った容器に土器片を入れて歯ブラシで表面の土を洗い落とした。

 表裏両面に文様がある土器片については佐伯さんが「内側に木でできた当て具を置いて固定し、縄を巻き付けた木で表面をたたいて模様をつけた」と説明すると、児童は興味深げに聞き入った。

 東仙道小6年、松崎煌(こう)さん(11)は「普段は関わりがない土器を洗うのは新鮮な体験だった。地元の歴史に興味が湧いた」と話した。(中山竜一)