山陰中央新報社とTSKさんいん中央テレビが共通テーマを同時に取材し、新聞紙面とニュース番組の両面で核心に迫る「カケルxサンイン」。今回のテーマは全国で被害が増加しているクマ。出没地域の実態や人里まで生息域が広がっている理由は何か。被害を減らすと同時に人とクマのすみ分けによる共存は可能なのか。2回に分けて紹介する。(邑南通信部・吉野仁士)
クマ被害の現状
環境省によると2023年度の全国の人身被害は219人で、統計が残る06年度以降で最多となった。餌となるブナの不作が影響したとみられ、東北地方を中心に、餌を探しに市街地まで出てきた個体に襲われる事例が目立つ。

島根県内の過去10年間のツキノワグマ目撃...