東京都知事選(6月20日告示、7月7日投開票)を前に、島根県の丸山達也知事が約48億円をかけて都庁舎などをスクリーンに映像を流す都の「プロジェクションマッピング事業」にかみついた。4日の定例会見で「よくもそんなことを考えつく人間がいるもんだ。都知事が認め、都議会に提案し、議会も認めてしまうことがアンビリーバブル(信じられない)の3乗だ」と批判した。
都は2月25日から夜を彩る新たな観光スポットとして、第1本庁舎の壁面に、東京の観光スポットなどを毎夜投影。「最大の建築物へのプロジェクションマッピングの展示(常設)」としてギネス世界記録の認定を受けた。都議会議事堂などでも展開し、関連事業を合わせて2年間の事業費は約48億円に上る。
丸山知事は、都庁が副都心の外れに位置することに触れ、「あんなところ誰も行かないし、夜行ったら危ない」と指摘。「もっと生活に身近なところに手を差し伸べてくれないのかといった議論もあるはずだ。他にやってほしいことが都民の皆さんにあるんじゃないか」と述べ、都知事選が控えていることを念頭に「お金をどのように使っていくのがよいかを考えてもらうよい機会になるのではないか」と述べた。(原暁)