本堂が国の登録有形文化財の摩尼寺(鳥取市覚寺)で、本堂入り口付近の柱に落書きされていることが5日までに分かった。黒の油性ペンを使い、異なる筆跡でいずれも男性とみられる2人分の氏名が書かれていた。既に鳥取署に相談している。
大きさはいずれも縦15センチ、横4センチほど。5月31日に居川敬信住職(59)が作業中に発見した。柱の近くには、護摩木に願いを書き込む机と油性ペンが備え付けてあった。境内に防犯カメラはなかった。
鳥取県警によると、建造物損壊などの罪に問われる可能性がある。登録有形文化財は、文化財保護法違反には抵触しないという。
摩尼寺の本堂は1860年に再建され、2014年に登録有形文化財として登録された。居川住職は「これまで本堂で同様の被害はなかった。腹立たしさとともに悲しさを感じた」と話した。今後、落書きが一般客の目につかないように隠し、修復作業を行う。 (小林竜大)