一畑バス(松江市西川津町)は、広島電鉄(広島市)と共同運行する高速バス・松江広島線について、10日のダイヤ改正以降も、現行の1日20便(10往復)の運行を維持することを決めた。新型コロナウイルス禍が落ち着き、利用客は回復傾向にあるものの、運転手不足を受け、コロナ前より16便(8往復)少ないダイヤを継続する。
松江広島線は2019年時点で1日36便(18往復)を運行していたが、コロナ禍で20年6月に半分以下の16便(8往復)に減便。その後、22年12月に現在の10往復体制となった。
一畑バスによると、高速バスを主に担当する運転手は3月時点で13人。20年6月の17人から減少しているほか、4月に始まった運転手の残業規制強化を背景に便数の変更を見送ったという。
限られた運転手数で運行維持するため、10日のダイヤ改正では、一畑側が運行する広島駅新幹線口(広島市)発の最終便時刻を35分繰り上げた。松江しんじ湖温泉発着の2便は松江駅発着に切り替え、運転手の勤務時間を短縮する。
同社によると、松江広島線の1便当たりの平均乗車人数は今年5月が17・5人で、14~15人程度だったコロナ禍以前を上回っている。南場晃乗合課長は「乗車実績を分析しながら、今後、需要に応じたダイヤを検討したい」と話した。
(石倉俊直)