石見と出雲の国境にそびえる三瓶山には憩いを求めて人々が訪れ、四季を通じて笑顔に満ちている。その笑顔とは少し違う、忘れられないほほ笑みがある。

 20年ほど前のある日、広島から来た一人の老人が「三瓶山には二度と訪れたくなかった」と問わず語りに話してくれた。返答に困っていると、老人は「でも」と続けた。

 「今日...