第79回春の院展(山陰中央新報社、日本美術院、足立美術館、TSKさんいん中央テレビ主催)が15日、安来市古川町の足立美術館で開幕した。日本美術院同人の新作や院展入賞作など多彩な140点を来館者がじっくりと鑑賞していた。30日まで。
会場の新館には50号までの作品が並ぶ。島根県関係者の作品も多く、宮廻正明さん(松江市出身)の「野生の思考」は凜(りん)として咲く野にある草花を題材にした。川﨑麻央さん(益田市出身)の「鐘泥棒」は青を印象的に配置し、眼光鋭い弁慶が背中をそらして鐘を運ぶ様子を表現した。染谷香理さん(島根県吉賀町出身)の「深層」は、金魚が泳ぐ水の中で膝を抱えた女性の心の揺らぎが伝わるよう。
第15回春の足立美術館賞に選ばれた窪井裕美さんの「窓辺の冬」は、女性が窓辺に横向きに座り、周囲の花々が春へと移る季節の変化を感じさせる。
開館時間は午前9時~午後5時半。入館料は大人2300円、大学生1800円、高校生千円、小中学生500円。
(狩野樹理)