魂を刻みつけるように、絵を描く。慈しむように色を重ねる人もいる。東京・八王子の平川病院にある「造形教室」。ここは精神障害がある人々が、内なる自己を表現する場だ。生きづらい現代社会で、参加者は自らの「生」をよみがえらせようとしている。

 教室には、あまたの作品が所狭しと並べられている。引きちぎられた左手を模した白い立体物は、その断面が血のように赤い。不敵に笑う3人を描いた油絵は、その瞳の部分だけがオリーブの実のように重ねて盛られている。一見異様だが目が離せな...