「カメムシにも効果あり!」の宣伝広告とともに並ぶカメムシ対策商品=出雲市塩冶町、ジュンテンドー出雲南店
「カメムシにも効果あり!」の宣伝広告とともに並ぶカメムシ対策商品=出雲市塩冶町、ジュンテンドー出雲南店
ぱっくりんの新たな活用法を説明する浜村雅男社長=出雲市佐田町反辺
ぱっくりんの新たな活用法を説明する浜村雅男社長=出雲市佐田町反辺
「カメムシにも効果あり!」の宣伝広告とともに並ぶカメムシ対策商品=出雲市塩冶町、ジュンテンドー出雲南店
ぱっくりんの新たな活用法を説明する浜村雅男社長=出雲市佐田町反辺

 カメムシの大量発生を受け、ホームセンターなどで対策商品が売れている。島根県によると、6月上旬段階で、カメムシの捕獲量は、全国的に大発生した昨年を上回るペースで推移。7~8月にはさらに増加するとみられ、対策グッズを扱う店舗では売れ行きが急伸。品ぞろえの充実に努めるほか、効果的な捕獲法を周知して販促する。

 島根県農業技術センター(出雲市)によると、出雲市内に設置したわな1カ所で、6月10日までに210匹を捕獲。前年同期比1・4倍で、特に果樹などに被害をもたらすツヤアオカメムシが115匹で最多だった。鳥取県園芸試験場(北栄町)でも6月下旬、試験場内のわな1カ所でかかったツヤアオカメムシは4861匹で、平年の40倍に上った。いずれも暖冬により越冬した個体が多かったのが一因とみられる。

 ホームセンターのジュンテンドー出雲南店(出雲市塩冶町)では、カメムシ専用の殺虫剤や、寄せ付けない防虫グッズ計4種類を扱っているが、昨秋から売れ続け、品薄状態が続く。従来は秋ごろから仕入れ、この時期には扱っていなかった。「こんなことは初めて」と藤原光憲店長(53)。専用品がない場合は、カメムシにも効く別の殺虫剤などを紹介し、こちらの売れ行きも通常の2倍という。

 ジュンテンドーが山陰両県を含む9府県に構える計約120店で、家庭用のカメムシ関連商品の売り上げは昨年9月から今年5月まで毎月、前年同期を大きく上回り、特に4月は15・2倍を記録した。藤原店長は「安定供給に向け、小まめに発注して要望に応えたい」と話した。 

 

▼出雲発グッズ 全国から注文

 カメムシ捕獲器「ぱっくりん」を開発した浜村木材(出雲市佐田町反辺)にも、全国から注文や問い合わせが相次ぐ。長さ90センチのプラスチック棒の先に専用の粘着シートを貼り、取っ手のレバーを握るとシートが折りたたまれる。虫を触らず、つぶさずに捕獲できるアイデア商品で、累計約2千本が売れた。昨秋以降注文が増え、冬場は一時収まったものの、4、5月は100本以上が売れた。

 虫を捕まえると粘着シートを取り換える必要があり、大量発生すると、シート代が高くつくという声を受け、新たに家庭にあるペットボトルを使った取り換え不要の捕獲法を考案。ペットボトルの上部を切り取った「捕獲器」をつくり、シートの代わりに棒にはめれば、壁や天井の虫を捕れるという。今後、周知していく予定で、浜村雅男社長は「快適な生活のための必需品にしたい」と強調した。(佐野卓矢)