高齢化社会の進行で、心不全の患者が爆発的に増える「心不全パンデミック」の危機が山陰両県に迫っている。一方、誰もが突然発症する可能性のある心不全は、医療の進歩によって救命できる可能性が以前より高まりつつある。心筋梗塞で命の危機にひんした松江市内の60代男性のケースを基に、山陰両県の心不全治療の現在地を見つめる。

 酒に酔ったのとは違う…  中村茂己さん(66)は2023年1月のある夜、松江市内で新年会を楽しんでいたところ、突然、吐き気に襲われた...