夏の甲子園出場をつかむのは堅守の大社か、強打線石見智翠館か―。第106回全国高校野球選手権島根大会は27日、県立浜山公園野球場で決勝があり、大社と石見智翠館が甲子園出場を目指して激突する。
大社が勝てば32年ぶり9度目、石見智翠館が勝利すれば3年ぶり12度目の甲子園出場となる。戦いを前に両校の注目選手をそれぞれ3人を紹介する。
(黒崎真依)
【高校野球島根大会27日決勝】 堅守の大社 VS 強力打線の石見智翠館 甲子園への切符つかむのは
馬庭優太 気迫でチーム引っ張る左腕

左腕から直球を主体にカーブやスライダーを投げ込む。対戦した選手たちが馬庭の印象を語る時によく出るのが「気迫」という言葉。開星打線を相手に準決勝で11奪三振。ピンチを切り抜けるとガッツポーズをして喜びを爆発させた。
ひとたび、プレーから離れると素直で柔らかな雰囲気が印象的。チームメートらからは「マニー!(ひらがなかカタカナかは定かではないが)」と呼ばれており、愛されている主戦ということがうかがえる。
石原勇翔 強肩と冷静な判断で馬庭を支える

1年からマスクを被り、昨夏は正捕手を経験。過去2大会は思うような結果を残せなかった悔しさを胸に試合に臨む。
主戦馬庭を支え、強肩をいかしたスローイングに注目だ。冷静さや判断力に優れ、打撃でも活躍。準々決勝(出雲商戦)では犠打で貢献し「しぶとく戦って勝ちたい」と負けん気を見せる。
藤原 佑 プロ球団も注目のスピードスター

石飛文太監督が「日本一」と太鼓判を押し、プロのスカウトも注目する俊足の持ち主。50メートルを5・8秒で走り「塁に出たら絶対走る」と力を込める。練習ではもちろん、スタートを切るタイミングなどはプロ野球や高校野球の動画を繰り返し見てものにする真面目さと器用さがある。準決勝までの5試合で計10盗塁、打率は6割8分と大社の攻撃の要だ。
冨田大和 今大会絶好調の長距離ヒッター

冨田大和は今大会二塁打3本、三塁打1本、本塁打2本と長打力が持ち味で、4試合で計10打点をマークした。
昨秋に左肩を脱臼し手術したが、今春に復帰。今大会では4番をつかみ取り「4番として(打球を)打ち返し、つないでいきたい」と責任感をにじませる。準決勝(飯南戦)では4打数2安打3打点と勢いに乗り、決勝でも長打が期待できそうだ。
荒木弘崇 打率6割超えの2年生キャプテン

荒木弘崇は珍しい2年主将。二塁手としてともに二遊間を守る1年遊撃の吉村武流を引っ張る。吉村からは「声をかけてくれる頼もしい先輩」と信頼されている。攻撃では広角に長打が打てる。打率6割を超え、準決勝(飯南戦)では2点本塁打で勝利に貢献した。
松田康生 長身生かした投球が持ち味の成長株

出雲三中出身で、最速140キロの直球と、緩急を付けた投球が持ち味。身長188センチの長身を生かしたダイナミックな投球にも注目だ。チーム内では「エース」という位置付けではないが、白橋勇三監督が「康生が1番を付けるべき」と評価する成長ぶりで、決勝での登板が期待される。