松江水郷祭花火大会(8月3、4日)で設ける有料観覧席について、前売り券の24日時点の販売数が、用意した2万1千席の約6割となっていることが分かった。主催する松江水郷祭推進会議(会長・田部長右衛門松江商工会議所会頭)は、開催1週間前で4割にとどまっていた昨年より順調で、完売を目指すとしている。ただ席種別の席数などを明らかにしておらず、収支計画に示した売り上げを確保できるかどうかが注視される。 (堀尾珠里花)
有料観覧席は花火の購入費や警備費など運営資金の確保を目的に設置する。2023年は2日間で2万6千席を用意し、1人当たり5500~5万円の計13種類を販売。売れたのは約7割で、大半を有料観覧席収入が占める事業収入は1億3800万円の見込みに対し、8900万円にとどまった。不足分は終了後に企業協賛金を集めて穴埋めした。23年は一般販売の期間が約1カ月と短く、市民から高額との指摘があった。
これを踏まえ、24年は販売開始を5月7日と約2カ月早め、中高校生向けの千円からVIP用の10万円まで計27種類を用意。中高生向けを除く1人当たりの最低価格は2500円に下げた。
同会議によると、湖南エリアで一部の6人席を4人席と2人席に再編するなど席種を32種類に変更。また、当初は2万5千席を販売する予定だったが、湖北、湖南エリアなどで席を設けるスペースを変更する可能性があるとして、4千席は「調整中」として販売を保留し、残る2万1千席を販売している。
24日時点の販売状況は白潟エリアのカメラ席(6500円)や宍道湖付近のペア席(1万2千円)などが完売。湖南エリアのマス席(3万2千円)などは「残りわずか」で、2万1千席の約6割が売れているという。
24年の収支計画では、有料観覧席収入は収入全体の56・4%に当たる1億5800万円に設定。ただ、席種ごとの席数や販売目標数、販売実績は明らかにされていない。同会議は席種ごとの席数について現在も「調整中」としている。
売上額の状況は、インターネットに加え旅行商品でのセット売りなどさまざまな方式があるため集計中としている。
同会議の事務局を務める松江商工会議所の金井寿彦常務理事は「去年よりも順調だ。昨年は約1週間前から販売ペースが伸びた。動向を注視しながら売れる工夫をしたい」と述べ、売り上げの確保に力を入れる考えを示した。