高嶋敏展さん(左)の解説を聞く来場者=出雲市佐田町反辺、スサノオホール
高嶋敏展さん(左)の解説を聞く来場者=出雲市佐田町反辺、スサノオホール

 【出雲】出雲市佐田町反辺、スサノオホールで島根県にあった空襲を紹介する戦争企画展が開かれている。空襲被害の記録や目撃者の証言などの資料約30点が並び、来場者の関心を集めている。18日まで。

 1945年7月28日、出雲市を含め島根県で空襲被害があった。四国沖の米軍空母3隻から飛び立った戦闘機グラマンが山陰を襲い、出雲市内では旧大社基地で少なくとも3人が死亡した。

 展示は「島根県における空襲とその時代2020」(高塚久司著)の情報を基に、写真家の高嶋敏展さん(51)=出雲市斐川町沖洲=が企画した。

 7月28日の空襲の様子が時系列で紹介されている。「空襲警報なしに敵機が現れ急降下し機銃掃射を始めた」「突然バリバリと校舎を突き抜けるような銃撃音がした」など出雲市での証言記録も展示している。

 高嶋さんは「山陰にも空襲があったことをきちんと知ってほしい」と訴えた。

 高浜小学校6年、森蒼真さんは母親と訪れ、高嶋さんから市内の戦争遺跡や空襲の説明を受けながら展示資料に見入った。「島根県は疎開地で戦争はなかったと思っていたけれど、旧大社基地や空襲に遭い戦争に関わっていたことを知り、勉強になった」と話した。(佐藤一司)