第106回全国高校野球選手権大会の開会式で一斉行進する各校の選手たち=7日、甲子園球場
第106回全国高校野球選手権大会の開会式で一斉行進する各校の選手たち=7日、甲子園球場

 今年はどんな熱いドラマを見せてくれるのだろう。

 「夏の甲子園」こと、第106回全国高校野球選手権大会で熱戦が繰り広げられている。高校球児の聖地・甲子園球場が開場して100年の記念の年。32年ぶりに島根大会を制した大社をはじめ、出場49校の選手にとって特別な夏になるのは間違いない。

 テレビ観戦しながら出場校の名前を見ていていると、ふと気付いた。「今年は日大系が少ない」

 昨年は日本大学の系列校が4校出場。おかやま山陽(岡山)が日大山形、大垣日大(岐阜)、日大三(西東京)と次々に撃破し、投稿サイト(SNS)では〝日大クエスト〟と話題になった。唯一残った土浦日大(茨城)との対戦はなかったが、秋の国民体育大会(現国民スポーツ大会)で対戦。土浦日大が7-1で勝って意地を見せた。

 今年の日大系列は、札幌日大(南北海道)と長野日大の2校のみ。札幌は初、長野は15年ぶり2度目の出場となじみが薄い。それだけ日大勢の層が厚いということか。

 6年ぶりに鳥取代表の座を勝ち取った鳥取城北と岐阜城北は同じ「城北」が付く。ただし、私立の鳥取に対して岐阜は県立で、無関係だ。

開幕戦で有田工に勝利し、笑顔の滋賀学園ナイン。〝学園組〟の快進撃は続くのか?=7日、甲子園球場


 改めて見ると、今年は「学園」が付く校名が多い。白樺学園(北北海道)、聖和学園(宮城)、滋賀学園、報徳学園(兵庫)、智弁学園(奈良)、聖カタリナ学園(愛媛)、神村学園(鹿児島)と7校もある。報徳や智弁など強豪校が名を連ねる一方、宮城大会決勝で昨年の甲子園準優勝校の仙台育英を破った聖和と、聖カタリナは初出場組だ。ちなみに昨年は5校だった。

 今年の甲子園は〝学園天国〟なのか!?― 小泉今日子さんの往年のヒット曲(元歌はフィンガー5)が頭から離れない。

 <あいつもこいつもあの席を ただ一つねらっているんだよ><あー みんなライバルさ あー いのちがけだよ>

 甲子園に置き換えるなら、「あの席」は深紅の大優勝旗になる。ライバルを蹴落とし、あの席を奪うのは一体どの校名か。

 (論説委員長・松村健次)