32年ぶりに夏の甲子園に出場する大社ナインを後押しした応援歌がある。夏の島根大会開幕前に3年生部員の保護者が選手に寄せたメッセージを歌詞にした「手のひら」。島根大会の試合前、シートノック中にスタンドの部員や保護者が歌い、チームを甲子園に導いた。ナインは曲に込められたメッセージを胸に聖地での躍進を誓う。

 応援歌は1人の少年が野球を始めて練習に励み、仲間や周囲の人とともに甲子園を目指すストーリー。野球部の保護者からの依頼を受け、松江市在住の路上詩人こーたさん(40)が作詞、山陰両県を中心に活動するシンガー・ソングライター門脇大樹さん(40)が作曲した。

 3年生の保護者から選手たちに伝えたいメッセージを募集。寄せられたのは、選手たちが野球を始めた頃からの思い出や、周囲で支えてくれる仲間への感謝などがあった。歌詞にまとめたこーたさんは「保護者の思いをくみ取り、代弁するような気持ちで製作した」と振り返る。

 タイトルの「手のひら」は、野球に手を使うのはもちろん▽仲間とも手をつなげる▽甲子園をつかみ取ることもできる― といったさまざまな意味を込めた。

大社ナインにエールを送る路上詩人こーたさん=出雲市大社町北荒木、大社高校


 曲は大会前の激励会でこーたさんと門脇さんが初披露。選手たちは真摯(しんし)に聴き入り、涙を流す保護者もいたという。門脇さんは「...