小惑星探査機「はやぶさ2」について講演する津田雄一教授=鳥取市佐治町高山、さじアストロパーク
小惑星探査機「はやぶさ2」について講演する津田雄一教授=鳥取市佐治町高山、さじアストロパーク

 小惑星探査機「はやぶさ2」のプロジェクトマネージャーを務めた宇宙航空研究開発機構(JAXA)宇宙科学研究所の津田雄一教授が18日、鳥取市佐治町高山、さじアストロパークで講演した。小惑星「リュウグウ」に安全に着陸できる平地が少なく、想定より狭い平地に降ろすため、現地で4カ月間練習を重ねたことなど裏話を披露した。

 はやぶさ2は2014年12月に地球を出て、3億キロ離れたリュウグウの地表や地下の石のサンプルを採って20年12月、持ち帰った。

 津田教授はリュウグウの地表には100メートル四方と想定した着陸に必要な広さの平地がなく、直径6メートルの平地に降ろすことを決断。地表に近づいては上昇する練習を繰り返し、着陸の精度を高め、狙った地点から1メートルの誤差で着陸させた。

 持ち帰ったサンプルの分析で、ある石は長期間、湯に漬かっていたとみられることが分かった。リュウグウに温泉はないため、例えば、温泉のある惑星が破壊されて一部がリュウグウになったという新たな謎が生まれたという。津田教授は「どう説明するかというところから科学が発展する。サンプルを持って帰る重要性を示せた」と説いた。

 講演はさじアストロパーク開館30周年記念行事の一環。約80人が聴いた。

(桝井映志)