水や簡易トイレなどが入った非常用袋の中身
水や簡易トイレなどが入った非常用袋の中身
非常用袋に物品を詰める女性災害サポート隊=出雲市東林木町
非常用袋に物品を詰める女性災害サポート隊=出雲市東林木町
水や簡易トイレなどが入った非常用袋の中身
非常用袋に物品を詰める女性災害サポート隊=出雲市東林木町

 簸川平野と斐伊川、北山に挟まれた地域にあり、防災意識が高い出雲市の鳶巣地区で、女性の目線で避難を支援する自主組織「女性災害サポート隊」(富田かほる隊長、41人)が、風水害の備えをまとめた手作りの防災手帳と非常用袋を各家庭に配り始めた。配る直前に大雨に見舞われ、避難者には間に合わなかったものの、課題を踏まえ、夏の台風シーズンに備える。 (松本直也)

 サポート隊は昨年7月に活動を始めた。防災教育に力を入れる島根県立大出雲キャンパス(出雲市西林木町)が地区内にあり、生涯学習の一環で防災を学んだ経験を生かし、手帳や非常袋を作った。

 自治会加入の400世帯に配る手帳には、5月に変更になった警戒レベルと避難情報の区割り、地区の避難所のほか、自主避難時の連絡先、地域で異なる避難の取り決め、ケアマネジャーの連絡先、家族の治療中の病気と、服用薬を書き込むスペースを設けた。

 77人が避難した7日以降の大雨では、早く自宅に帰れると思い、薬を持って来なかった高齢者もいたという。

 非常用袋は、100円ショップなどで購入したウエットティッシュや紙皿など22種類が入る。ラップも入っており、紙皿と組み合わせると何度も使えるなど心配りをした。地域で集めた空き缶のリサイクル収益を一部充て、1袋1500円で注文があった214世帯に配る。富田隊長(75)は「台風シーズンもあるので手帳は平常時に読んでおいてほしい」と話した。