私にとって最も大切な人が、先に逝ってしまった。この空虚が修復されることはない。さまざまな思索や試みを通して、この時代を共に生きてきたからだ。

 そう感じる人は少なくないかもしれない。松岡さんは1960年代、ちょうど私が高校生...