島根県が3日、7月の大雨で崩落した県道大社日御碕線の近くに設けた住民や緊急車両が通れる道を、7日午前9時から観光客などを含む一般車両も通行可能にすると発表した。勾配が急な区間があるため大型車両は通行できない。
7月9日に県道が崩落して以来、約2カ月にわたって通行できていなかった一般車両がようやく往来できるようになる。
道の延長は約150メートルで片側交互通行。幅が最も狭い所で2・6メートルだった従来の道を、県は約5メートルに拡幅した。4日まで舗装工事を続け、5、6日に防護柵を設置する予定。地区住民らに発行していた市による車両指定手続きは廃止する。
県は崩落現場近くの私有地を活用し、緊急車両用の道を整備して7月29日に運用を開始。8月11日からは市が認めた地区住民の車両に限定して通行が可能になった。一般車両の通行は依然として認められていなかったため、観光業者を中心に早期の通行再開を求める声が上がっていた。
県道路維持課によると、勾配が急な箇所が残されており、車両総重量8トン以上または最大積載量5トン以上の大型車両は通行できない。大型車両が通行できるようにするために、別ルートの設置や現在の道の勾配を緩くする改良工事など複数の案があるが、データを収集中で整備の見通しは立っていない。
(高見維吹)