島根県が、7月の大雨で県道大社日御碕線が崩落し、要となる観光・宿泊業に被害が出ている出雲市大社町日御碕地区を支援する方針を固めた。宿泊料金の割引や、飲食や土産物などの購入に使えるクーポン券を発行。観光シーズンを終えた閑散期の冬季に需要の回復に取り組む。 (曽田元気) 

 関連経費約6千万円を盛り込んだ2024年度一般会計補正予算案を、9月10日開会予定の9月定例県議会に提出する方針にしている。

 県の観光動態調査(2022年)によると、日御碕への観光入り込みは夏季に多く、夏休みが始まる7月下旬から増え始め、8月は1年間で2番目に多い11万3800人だった。一方、今夏は県道崩落で観光客を含めた一般車両が通行できず、宿泊6事業所、小売り、飲食など12事業所が休業状態になっている。

 県は、観光客などを含む一般車両が通行できる道の整備を進めており、9月中旬に完成する予定。閑散期の冬季に観光客に来てもらうことで、書き入れ時の損失を補う。

 24年度一般会計補正予算案の総額は約190億円。決算剰余金を活用した島根かみあり国スポ(2030年開催予定)の運営費の基金積み立てや、県債の繰り上げ償還に約160億円を充てる。

 このほか、出雲空港(出雲市斐川町沖洲)とベトナムを結ぶチャーター便の年度内の追加就航や将来の国際定期便化を目指した誘客促進、シロイルカが連続して誕生した「しまね海洋館アクアス」(浜田市・江津市)の集客強化にそれぞれ約1千万円を計上する。