【左】住民の車両が通る緊急車両用道路(写真の一部を加工しています)=出雲市大社町日御碕 【右】岸壁に係留した船の固定具合を確認する杉原和男さん=浜田市長浜町
【左】住民の車両が通る緊急車両用道路(写真の一部を加工しています)=出雲市大社町日御碕 【右】岸壁に係留した船の固定具合を確認する杉原和男さん=浜田市長浜町

 台風10号の接近を受け、市街地への唯一の県道が崩落した出雲市大社町日御碕地区の住民や、島根県内の船所有者も影響を案じている。

 同市大社町日御碕地区は住民が通行できる道を県が整備したが、大雨で全面通行止めになる場合があり、実質的に孤立状態となる。

 同地区で商店を営む蒲生芙美子さん(82)は月、木曜日に同市高松町の市場に仕入れに行く。今回の台風に「また仮設道路を歩くことになるのか。対策を考えないといけない」と不安を口にする。市街地で勤務する安田大輔さん(38)も孤立状態になる可能性があることなどから30日は仕事を休む。「現在通行できる道が崩れないか不安だ」と話した。

 浜田市長浜町で渡船や遊漁船を運行する「ショウフク」は台風によるしけを受け、27日に運航をやめた。操船する杉原和男さん(76)は係留時に通常1本のロープを3本ずつ、船首と船尾にそれぞれくくりつけて固定した。「できる限りのことはやった。早く再開できるよう台風が過ぎ去ってほしい」と話した。

(片山皓平、宮廻裕樹)