俵康輔君は日ごろから「不思議だな」と思うことがあると、「知りたい」という気持ちがわいてくるそうです。
昨年、新聞を作ろうという時に最も不思議に思っていたのは、通っている小学校の駐車場(ちゅうしゃじょう)に立っている背の高いスピーカーでした。決まった時間に音楽が流れ、「だれがどこで流しているのだろう」という思いから、取材を始めました。
音楽は市役所が流しているらしい、と耳にした俵君は、市役所に話を聞きに行きました。質問は前もって考え、ノートに書いておきました。「どきどきしたけど、市役所の人が親切に、質問に全部答えてくれた」そうです。
取材をしたら、あのスピーカーは「防災(ぼうさい)無(む)線(せん)」といい、災害や火事が起きたときに住民に知らせる役目があると知りました。市内に126カ所、俵君が住む大田町内には6カ所あることが分かりました。スピーカーがどこを向き、いつ音が流れるのかなど、いろいろ知ることができました。
さらに大田町内の六つの防災無線がどこにあるか調べ、そこに行って取材をしました。話を聞くだけでなく、自分の目で見たほうがより多くのことが分かると思ったそうです。学校のほかには住宅地、消防署、市役所の屋上、山の中の地区、公園にありました。
「そこに行ったら、大きさとか高さとかまわりに何があるかとか、市役所の取材では分からなかったことが分かった」と俵君。「これならもし災害が起きても、くわしいことを人に教えてあげられる」と笑顔で話しました。 (清水由紀子)
<第9回小学6年生の部最優秀賞>
「おばあちゃんのこだわり野菜」 邑南町立瑞穂小学校・大矢栞己さん
多方面から取材して完成
おばあちゃんの野菜作りについて知ってもらおうと作った新聞。おばあちゃん本人、出荷先のレストランオーナー、シェフに話を聞いたり実際に食べに行ったり、多方面から取材しました。
これまでの優秀作品、詳しい新聞の作り方やヒントを解説した動画を山陰中央新報社のホームページで見ることができます。
次回は18日に「記事を書こう、見出しをつけよう」をテーマに掲載します。