【飯南】島根県飯南町野萱のカフェ&ギャラリー「鐘や・K gallery」で、油絵画家と版画家の二人展が開かれている。同じ題材を異なる捉え方、描き方をした作品など約50点が来場者を楽しませている。
油絵画家は市谷實(みのる)さん(故人)で、版画家は船越まなみさん(55)=広島市安佐南区=。2人は夫婦で、初の二人展となる。
市谷さんは1948年生まれで、晩年は絵画教室を主宰しながら制作を続けた。船越さんは銅版画の専門技術を学び、広島市内を拠点に日本全国で作品を発表している。
レモンの作品は、お互いが知らない間に共通の題材で制作していたという。市谷さんは何層もの色を重ねた後、彫刻刀で線を掘って表現した。船越さんは銅版にレモンを直接押しつけて制作し、皮の表面の質感が伝わる。作品の近くには、解説や2人のエピソードも添えられている。
市谷さんの息子の悠さん(32)と一緒に作品を確認し、思い出を語り合った船越さんは「二人展を見てもらえるのがうれしい。見方は自由に楽しんでもらいたい」と話した。
9月13日まで。営業時間は月、金、土、日曜の午前11時~午後4時と、月、金曜の午後5時半~同8時。(山本泰平)