元自民党幹事長の古賀誠氏は父親の顔を覚えていない。父親は古賀氏が2歳のときに出征した。終戦後、自宅に白木の箱が届いた。中には父親がフィリピン・レイテ島で戦死したことを伝える紙片だけが入っていた。空っぽの箱。それが父親を連想させる幼少期の唯一の記憶となった。

 古賀氏が初めてレイテ島を訪ねたのは2003年だ。それまで足を運ばなかったのは「顔も...