第二十一章 吉村憲(7)

 個人的な怨(えん)嗟(さ)の念以上に、あの天才倉敷が飯田教授の本性を知らずにいるのなら、彼を救ってやりたいと思ったのが一番の動機だった。倉敷は頭が...