携帯電話を使用しながら自転車に乗る「ながら運転」や、酒気帯び運転に罰則を新設した改正道交法が11月1日に施行される。改正法施行が約1カ月後に迫り、関係者は罰則内容の周知に向け準備を進めている。
改正の背景には自転車事故の全国的な増加がある。島根県内は近年100件前後で推移。大きな変動はないが、全体の事故件数が減少しているため、2019年に12・7%だった自転車事故の割合は、23年は13・6%になった。
県警交通企画課によると、2023年に自転車が関わる人身事故(全103件)のうち、ながら運転が原因だったのは0件、飲酒運転は2件あった。
ながら運転は現在、県道路交通法施行細則で禁止されており、罰則は5万円以下の罰金。11月以降は6月以下の懲役または10万円以下の罰金が科される。事故を起こすなどの危険を生じさせた場合は、1年以下の懲役か30万円以下の罰金となる。
飲酒運転は現在、酩酊(めいてい)状態で運転する酒酔い運転のみ罰則があるが、11月以降は酒気帯び運転にも罰則規定が整備された。酒気帯びは、運転者や自転車提供者に3年以下の懲役または50万円以下の罰金、酒類提供者らにも2年以下の懲役または30万円以下の罰金が科される。
ながら運転と酒気帯び運転は、自転車運転者講習の受講を命令できる対象にもする。
松江署交通総務課の板倉雅人課長は「交通安全教室や街頭での呼びかけなどで周知を図る」と述べた。
(新藤正春)