東京五輪に参加する南アフリカのサッカー男子代表チームの3人が東京・晴海の選手村滞在中に新型コロナウイルス検査で陽性となった問題で、大会組織委員会は19日、21人の濃厚接触者が確認されたと発表した。組織委や国際サッカー連盟(FIFA)などの関係機関は、日本と対戦する22日の1次リーグ初戦実施の可否について調整に入った。
濃厚接触者でも競技開始前6時間以内のPCR検査で陰性なら出場を認める方針だが、感染拡大へ懸念も広がる。難しい判断を迫られる中、被災地の福島で全競技に先駆けてソフトボールが21日に始まる。
組織委の高谷正哲スポークスパーソンは19日の記者会見で、日本―南アについて「FIFAを含めて調整が行われる」と説明するにとどめた。FIFAは実施されなかった場合の勝敗などの取り扱いに関し「現時点ではケース・バイ・ケースとしか言えない」と回答した。
陽性となったのはジェームズ・モニャン、カモヘロ・マーラツィ両選手と、映像分析スタッフ1人。組織委によると、21人の濃厚接触者の大部分が選手という。試合が実施されれば濃厚接触者も出場することが予想され、感染リスクを心配する声が出そうだ。一方、予定通り開催できなければ、23日の開幕を前にコロナ禍での大会運営の難しさを国内外に印象付けることになる。
今大会は、各チームの選手登録枠が18人から22人に拡大。その中から試合ごとに18人を選ぶ。FIFAは試合実施のためには少なくとも13人が必要としている。
選手向けのコロナ対策の規則集「プレーブック」では、濃厚接触者の競技参加は、毎日のPCR検査で陰性となることや国際競技連盟の同意などが条件と規定している。今回、濃厚接触と確認された選手らには、個室への移動、1人での食事、専用車両の利用などを既に求めている。
濃厚接触者であってもPCR検査陰性などを条件に練習は認められており、南ア代表はスタッフを含む22人が2台のバスに分乗して移動し、千葉市内で練習した。













