所有者が分からない出雲市矢尾町の空き家1棟(広さ92平方メートル)について市が2日、空き家対策特別措置法に基づく略式代執行での解体を始めた。
建物は少なくとも1955年以前に建てられ、近くの住民が生活道路として使う市道に面している。屋根の一部が崩落するなど損傷が激しく、地元からも早期の解体を求める声があり、昨年11月、特定空き家に認定した。解体撤去費の見込みは312万円で、国が半額の156万円、県が30万円をそれぞれ補助し、市が126万円を負担する。
この日は、市都市建設部の三代正幸部長が現地で略式代執行を宣言。作業員が周辺の草木を刈り取り、壁を解体した。10月中の完了を予定する。
11月上旬には、多伎町口田儀の木造平屋建ての建物(延べ床面積約92平方メートル)も解体予定。市によると、周囲に悪影響を及ぼす特定空き家の認定を今後検討するのは、約10棟ある。
市空き家対策室の桑本英明室長は「所有者の責任での解体が前提で、代執行は最終手段だ」と述べた。
(片山皓平)