津市中心部から車で約1時間の山間部にある同市美杉町。急斜面を血管のように縦横に走る「獣道」を進んでいたわな師の古田洋隆(69)が足を止め、地面を指さした。

 「ここ。足跡がついとるやろ。この大きさは大人の雄ジカやな。土の乾き具合から、2日はたってるな」。わずかに草が沈み、幅10センチほどの筋になっているだけの獣道が、古田には「カーナビのように斜面に浮き出て見える」のだという。

年間200頭駆除

 祖父から数えて猟師の3代目。若いころは地元...