米子市中心部の飲食店約600店舗を対象とした営業時間短縮の要請で、酒類や食材の納入業者も影響は避けられない。夜の繁華街の人出が減れば、タクシー事業者なども打撃を受ける。地元経済界にとって厳しい2週間となりそうだ。
(取材班)
対象エリアはJR米子駅前や朝日町、角盤町などの繁華街。急拡大した感染を食い止めるため、鳥取県は4連休前の21日から8月3日までの2週間、飲食店に午後8時までの時短営業を要請した。
米子市内に数百件の取引先を持つ酒卸のしんこうサンイン・フーズ(米子市陰田町)は、連休に備えて仕入れ量を増やしたばかりだった。時短や休業する店が多ければ、それだけ注文量は減り在庫は積み上がる。広山松憲執行役員は「どの程度の影響が出るのか、想像もつかない。何とか2週間で終わってほしい」と早期の沈静化を願った。
時短に応じた飲食店には日額最大20万円の協力金が支払われるが、納入業者は対象外。エリア内の10店舗と取引する市内の食肉加工業者の担当者は「時短で打撃を受けるのはわれわれも同じ。支援を検討してほしい」と訴えた。
影響は飲食店関係だけにとどまらない。コロナ禍でただでさえ利用が落ち込むタクシー業界も痛手を負う。米子第一交通(米子市両三柳)の福坂康司所長は「午後8時の閉店なら、バスなどで帰る手段もある。タクシーの需要が増えることはない」と売り上げ減少を覚悟した。
代行タクシーを運行する運転代行Y―net(同市角盤町3丁目)は、時短要請の期間は車両の稼働台数を調整する方針。倉田慎也統括部長は「飲食店あっての仕事。郊外エリアでの営業に活路を見いだしたい」と話した。













