島根県隠岐の島町で19日、漂着物学会(道田豊会長)の島根・隠岐島大会が開かれた。全国から訪れた専門家や愛好家が漂着物についての研究成果を報告した。謎の漂着物を持ち寄り、正体を突き止める「お宝鑑定会」もあり、盛り上がった。

学会は海洋生物や環境、海流の専門家や漂着物を集める愛好家ら300人でつくり、年1回、各地で大会を開催する。山陰両県では初の大会で隠岐が会場になった。
隠岐特有の生物についての基調講演に続き、会員5人が発表した。高知県黒潮町の砂浜美術館職員松下卓也さん(46)は、1991年に四万十市で拾われた手紙入りの瓶について報告した。
松下さんが瓶を流した米テキサス州のブライアン・エイカーズさんに連絡を取り、渡米して面会した際の映像を上映した。エイカーズさんは「1本のガラス瓶が永続的な財産になっている」と感激し、松下さんは「漂着物はつながりになる」と強調した。
鑑定会では白く表面がなめらかな小石ほどの大きさの物体が持ち込まれ、材質と臭いからワックスとして使う蝋(ろう)と判明。このほか、木の実や漁具、プラスチックの部品なども持ち込まれ、会員たちが用途や種類を指摘した。20日は隠岐の島町津戸の塩の浜で漂着物の収集をする。
(鎌田剛)