四連休初日・海の日ににぎわう北浦海水浴場。半数近くが県外ナンバーだった=松江市美保関町北浦(小型無人機で撮影)
四連休初日・海の日ににぎわう北浦海水浴場。半数近くが県外ナンバーだった=松江市美保関町北浦(小型無人機で撮影)
妖怪ブロンズ像が並ぶ水木しげるロードを散策する観光客=22日午後3時、境港市松ケ枝町
妖怪ブロンズ像が並ぶ水木しげるロードを散策する観光客=22日午後3時、境港市松ケ枝町
四連休初日・海の日ににぎわう北浦海水浴場。半数近くが県外ナンバーだった=松江市美保関町北浦(小型無人機で撮影)
妖怪ブロンズ像が並ぶ水木しげるロードを散策する観光客=22日午後3時、境港市松ケ枝町

 東京五輪の開幕に伴う4連休が22日始まった。山陰両県の海水浴場や宿泊、観光施設は、余暇を楽しむ家族連れが多く訪れ、予想を上回る人出となった場所もあった。一方、新型コロナウイルスの感染拡大によって五輪関連のイベントが中止となり、開催機運の盛り上がりは低調なままだ。(取材班)

 

 22日昼、松江市美保関町の北浦海水浴場。砂浜にはビーチパラソルや簡易テントが立ち並び、周辺の駐車場には大阪や広島といった県外ナンバーの車も目立った。親、子、孫の3世代で訪れた松江市法吉町の亀岡美羽さん(58)は「思ったよりお客さんが多くてびっくり」と驚いた表情を見せた。

 新型コロナの影響で島根県内では閉鎖を続ける海水浴場が多い中、北浦海水浴場は海開きこそしていないもののシャワー設備や駐車場、海の家が利用できる。同市本庄町から来た中林可純さん(35)は「県外ナンバーの車が多いのもそれが理由だろう」と周囲を見渡した。

 妖怪ブロンズ像が並ぶ境港市の観光スポット・水木しげるロードも人通りが増えた。鳥取県西部で感染確認が相次ぎ、各店舗の売り上げへの影響を懸念していた住民団体「水木しげるロード土曜夜市実行委員会」の原田幸代委員長(51)は「人出は毎週末の1・5倍くらいはある」と胸をなで下ろした。

 松江市の玉造温泉街にあるホテル玉泉は4連休の前半は満室状態で、新宮靖総支配人は「一時期の停滞感は脱したのではないか」と分析。米子市の皆生温泉街にある旅館は宿泊キャンセルが出た途端に新たな予約が入る状態で、感染対策に気を配りながら非日常の時間を求める人が多いとみられる。

 対して、五輪開幕を目前にした高揚感は乏しい。米子市は市出身選手4人の出場が決まり、米子コンベンションセンターでパブリックビューイングを開く準備を進めてきたが、感染者急増を受けて21日に中止を判断。競技団体との調整を続けた市担当者は「地元からの声援を届けたかった。残念だが、どうしようもない」とうつむいた。