衆院選は与党過半数割れとなり、政治が流動化するのは必至だ。政権運営はどうなるのか。政策課題も山積している。東京大名誉教授の御厨貴氏、日本総研国際戦略研究所特別顧問の田中均氏、慶応大教授の白井さゆり氏が選挙戦を総括し、今後の行方を展望した。

 

有権者は裏金許せず 御厨氏
「かじ切り」で失望か 白井氏

 -衆院選は与党過半数割れの結果となった。

 御厨 自民党派閥裏金事件に端を発した「政治とカネ」問題と、その後のいいかげんな対応を有権者が見逃していないという証しだ。物価は上がるのに所得は増えない。多くの国民が苦しんでいるが故に、政治とカネを巡る問題が許せなかったのではないか。

 決め手になったのは、裏金問題で非公認にした候補者に対する政党交付金2千万円の支給だ。なぜあんなことをしたのか。自民のガバナンスは崩壊して...