通訳アプリが入ったタブレットを使って外国人の問診を行うスタッフ(左)=島根県吉賀町六日市、町民六日市体育館
通訳アプリが入ったタブレットを使って外国人の問診を行うスタッフ(左)=島根県吉賀町六日市、町民六日市体育館

 在日外国人の新型コロナウイルスワクチン接種をスムーズに進めるため島根県吉賀町が23日、リモート通訳アプリを活用して町在住外国人約150人の集団接種を行った。スタッフがタブレット端末を使って通訳者と会話しながら、日本語がよく話せない外国人の問診を行った。

 町税務住民課によると、町在住外国人は6月末現在、中国、ベトナムなど出身の193人。町人口の3・2%を占め、外国人比率は県内19市町村で最も高い。町は通訳人員確保や会場内の密集防止のため電気通信事業のオプテージ(大阪市)の協力を得て、町内8事業所に勤務する64歳以下の在住外国人向けに通訳付きの集団接種態勢を整えた。

 町民六日市体育館(六日市)で1回目の接種があり、スタッフが通訳アプリを入れた端末を使い「アレルギー症状はないか」「1カ月前から体調が悪いと感じたことはないか」といった問診を、画面に映る通訳を交えて1人当たり2、3分のペースでこなした。

 ヨシワ工業六日市工場(七日市)に勤める張慶磊(ちょうけいらい)さん(34)=中国出身=は「声も聴き取りやすく、通訳の表情も見られたので良かった」と話した。

 2回目の接種は8月13日に予定。町保健福祉課の永田英樹課長は「大きなトラブルもなく期待以上の成果があった。修正点も踏まえ、接種以外のさまざまな場面に活用できればいい」と話した。 (石倉俊直)