2024年4月19日。奥出雲町にある岩屋寺(既に廃寺)の参道に立つ仁王門は足場に囲まれ、その前に小さな祭壇が組まれた。解体作業を翌日に控えて、この日、門の閉眼供養式が行われたのである。

 うっそうと茂る木々の間から日差しが差し込み始める頃、供養を行う南枝寺の住職がやってきた。参列者は約30人。普段は静か...