小中学校時代の経験を踏まえ、オンラインで勉強の大切さを伝える木村パトリシアさん(画面の下側)=出雲市塩冶町、市立塩冶小学校
小中学校時代の経験を踏まえ、オンラインで勉強の大切さを伝える木村パトリシアさん(画面の下側)=出雲市塩冶町、市立塩冶小学校

 出雲市内で日本語指導を受ける児童らを対象にキャリア教育講座が28日、オンラインであった。ポルトガルを拠点に翻訳などをする木村パトリシアさん(35)が、経験を踏まえ学ぶ大切さを訴えた。

 塩冶小学校(出雲市塩冶町)と中部小学校(同市斐川町直江)の5、6年生計34人が聴いた。木村さんは10歳の時に両親の仕事に合わせてブラジルから来日。広島市内の小中学校で日本語を学び高校卒業後に上京した。昨年まで4~5年間、出雲市を拠点に英会話スクールを開いた。

 来日当初は日本語ができず大変だったとし、日本語で毎日日記を書き先生に見てもらうなど工夫を紹介。文化の違いもあったが「ブラジルのいい所を全部自慢した」と振り返った。

 中学時代は好きな英語と体育を頑張ったと語り「好きな教科を見つけると自信が付き、どんどん楽しくなる」と強調。自らの仕事を紹介しながら「勉強を頑張ると後からチャンスが回ってくる」と伝えた。

 幼少期に来日した塩冶小6年の高橋まゆみさん(12)は「日本語を頑張りたい。将来は歌手として世界中に行ってみたい」と話した。講座は日本語指導が必要な児童生徒が多い、日本語指導拠点校6校などで毎年実施する。(片山皓平)