浜田市で100年を超える歴史を持つ石見神楽長澤社中が15日、浜田市黒川町の石央文化ホールで記念大会を開いた。継承の思いを込めた渾身(こんしん)の舞で、約800人が来場した会場を沸かせた。
長澤社中は明治初期から活動したとされる。記念大会は「伝承プロジェクト100」と題し、伝統を築いてきた先人に感謝し、次代につなぐ足がかりをつくろうと初めて開催した。
歴史を振り返るトークショーや、舞の型や所作の解説をプログラムに盛り込んだ。社中で受け継がれる衣装や面の展示などもあり、石見神楽を楽しむだけでなく、深く知ってもらうための趣向を凝らした。
舞台では、つながりの深い5社中を招待して計10演目を披露した。大トリは長澤社中の人気の創作演目「加藤清正」。客席に乱入して暴れ狂う寅(とら)を、勇敢な戦国武将・加藤清正がやりで退治すると、会場から割れんばかりの拍手が起こった。
実行委員会の川神裕司委員長は「若手が増えて育っている。(記念大会を)石見神楽全体が盛り上がる試金石にしたい」と話した。吉田雅史)