紙面編集・和田守涼平 幅広い分野から世界を読み解く 2020年2月13日。和歌山県の新型コロナウイルス対応は、国内初の院内感染で始まった。陣頭指揮を執ってきたのは福祉保健部技監の野尻孝子医師(65)。感染者と接触した人を徹底的に探して検査を受けてもらい、感染の連鎖を断ち切る手法は「和歌山モデル」とも呼ばれている。
「済生会有田病院の先生が陽性です」。13日午後、部員から連絡を受けた。「うちのような地方では、ウイルスがどこかの集団に持ち込まれてから判明するだろう」と想定していたが、患者より先に医師が陽性になるとは思いもよら...