読者の皆さんに募った「新年読者文芸」の作品を紹介します。応募総数は短歌360通。本紙「山陰文芸」担当の選者9氏にお願いし、課題ごとに特選1点、入選10点、佳作15点を選んでいただきました。特選の方には選者揮毫(きごう)の色紙、入選の方には図書カードをお贈りします。

 (一部、添削した作品もあります。ご了承ください)


課題「陽」 安部歌子選

 

 ▽特 選

陽春に島のみどり子名を連ねいぐり凧舞う大空高く   隠岐の島 大槻 咲子

 【評】初節句を迎える赤ちゃんの名前を記し、健やかな成長を願って大空高く揚げられるいぐり凧(だこ)。陽春、みどり子、大空など言葉の選び方も巧みで、一首からみどり子の明るい未来が見えてくるようです。

 ▽入 選

柔らかな冬の陽差しは有難き蒲団も我も縁側に干す    雲 南 竹下 克美

元旦の陽のぬくもりに脊伸びして今年も一つ若返りましょ 江 津 餅田美代子

明けやらぬ枕木山に待つ日の出後光のごとく山の染まり来 出 雲 行長 好友

陽の光少し分けてと窓際の植物たちと春を待ってる    松 江...