欧州、中東の戦火がやまず、各国に「内向き」の保守主義が広がり始め世界が混迷を深めた2024年。日本を代表する詩人、指揮者がこの世を去った。国境を超えて愛された漫画家、笑顔が印象的だった俳優も没した。海外では二枚目の代名詞だった俳優、世界初の日系大統領が帰らぬ人に。著名音楽プロデューサーも泉下の人になった。それぞれの生きざまに思いをはせ墓碑銘を刻む。(敬称略、年齢の次は死亡または死亡確認の月日、芸名などの人は本名略、海外は現地時間)

国内

 戦後日本を代表する詩人として海外でも評価された谷川俊太郎(92歳、11・13)は親しみやすい言葉で知られた。「朝のリレー」など国語教科書に採用された詩も多く、絵本、翻訳、エッセー、童謡の歌詞も手がけた。

 「世界のオザワ」として人気を集めた指揮者で文化勲章受章者の小澤征爾(88歳、2・6)は、海外で...